2020年までの五輪公式計時をオメガが担当
左から、ニック・ハイエックJr.、ジャック・ロゲ氏、ニコラス・ハイエック、ステファン・ウルクハート
高い開発力と製造するための技術力、デザイン性がそろってこその、すぐれた工業製品だと思います。
そしてユーザーの購買意欲を掻き立てるのは、それらにプラスしてストーリー性ではないかと思います。
例えば人類初の月面着陸や歴代五輪をサポートしてきたオメガのような。
スイスの時計ブランド、オメガと親会社にあたるスウォッチ グループは、2020年のオリンピックまで、同大会の公式計時を担当するという契約をこのほどIOCと締結しました。
オメガは、すべてのオリンピック競技の計時を行うほかにも、データ処理や、競技場での結果表示、世界中のメディアへの競技結果の配信も担当します。
2009年9月25日にスイス・ローザンヌのオリンピック博物館で記者会見が行われ、IOC会長のジャック・ロゲ氏、スウォッチ グループ会長のニコラス・ハイエック、スウォッチ グループCEOのニック・ハイエックJr.およびオメガ社長のステファン・ウルクハートが出席しました。
【将来へと続くパートナーシップ】
ニコラス・ハイエックは、このパートナーシップについて次のように述べています。「歴史的にも私たちスウォッチ グループが、極めて優秀なIOCのチームと世界各地で一緒に仕事をしてきたのは、とても素晴らしいことです。バンクーバーとロンドン、そしてその次の都市でも協力できることを楽しみにしています」と語りました。
また、ニック・ハイエックJr.は、ドラマと感動を生み出すオリンピックの力についても言及しました。「ポジティブな感動を提供するという意味で、オリンピックに勝るものがあるでしょうか? 老いも若きも、貧富の差を問わず、世界中の人々が、オリンピックでしか見られない魔法のような多くの瞬間に魅了されます」
ジャック・ロゲ氏は次のように述べました。「スポーツ計時の発展への熱意、アスリートたちとの取り組み、そしてオリンピック運動への献身的な参加により、オメガはIOCやオリンピックのオーガナイザーから絶大な信頼を得ています」と述べています。
オメガとオリンピックのこれまでの関係に思いをはせながら、オメガ社長のステファン・ウルクハートは次のようにコメントしました。「オメガは、IOCおよび世界最高峰のスポーツの祭典との長期的な関係を継続することができ、とても誇りに思っています。オリンピックは、1932年以来、『優れた精度、品質、革新を伝統ある適切な環境で実現する』という当社のメッセージをアピールできるユニークな場を提供してくれています」と。
1932年のロサンゼルスオリンピック大会で計時に使用されたオリジナルのクロノグラフのうち4個は、スイスのビエンヌにあるオメガ博物館で保管されています。このたびのオメガとIOCの契約延長を記念して、ステファン・ウルクハートは、この4個の懐中時計クロノグラフのうち1個をジャック・ロゲ氏にプレゼントしました。
【オリンピックとオメガの歴史】
オメガは、1932年のロサンゼルスオリンピック大会で、単一時計メーカーとして初めてオリンピック競技の計時を委託されました。オメガと国際オリンピック委員会(IOC)の間の長期的なパートナーシップは、この時から始まりました。
1932年当時、競技の結果の測定には、30個のクロノグラフ時計が使われました。
オリンピックが大きくなるにつれ、計測器も高度になり、また機材の量も増えていきます。
至上最大規模とされる北京オリンピックには、合計約420トンものオメガの計測専門器材と計時がスイスより中国に運ばれ、データ処理を行う450人の専門家を派遣しました。また特別なトレーニングを受けた千人以上の現地ボランティアによって使用されるまでになりました。
2010年2月12日に始まるバンクーバー冬季オリンピックでは、オメガが24回目のオリンピック公式タイムキーパーを担当します。